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【米国株】過去の米国リセッション局面で株価はどう動いたのか?

TVC:SPX   S&P 500
米国のGDPが2四半期連続でマイナス成長率となり、数字の面ではリセッション入りとなりました。
厳密にはリセッション入りしたかどうかは、米国の専門家の協議を経て決まるそうですが、ここではGDPという数値だけで見たテクニカルリセッションという意味で取り扱いたいと思います。

さて、今回の投稿では過去のリセッション局面では株価がどのように動いたのか、特に最高値を更新するまでの期間、昨今の市場の関心であるインフレと政策金利に焦点を当て、SP500を題材にしてその傾向を分析した結果をシェアしたいと思います。

直近数週間、米国株は上昇を続けていますが、これが単なるあや戻しなのか、それとももう底を打ってこれから最高値を更新するような上げとなっていくのか気になっている方もいるかと思いますので、参考になれば幸いです。


結論は、
インフレ率が下落傾向に転じたことが確認され、かつFRBの利下げが現実味を帯びてきた頃または実際に利下げが行われてからが、最高値を更新する上昇トレンドが発生することが多い、
です。


過去の傾向:米国株指数SP500の月足
以下のチャートはSP500の月足に、米国のGDP成長率(中段)、FRBの政策金利(下段)を表示したものです。
冒頭の定義に基づいてリセッションとなった場面を赤のバンドでハイライトしています。

全てのデータが揃っている1970年以降で見ていくと、コロナショックまで合計6回のリセッションが確認できます。




それぞれに振った番号ごとに、
A.リセッション入りしてから最高値更新するまでの期間
B.インフレ率の様子(青ライン)
C.政策金利の状況
を見ていきます。


①1974年-1975年(第1次オイルショック)、②1980年(第2次オイルショック)
(①と②はつなげてみた方がわかりやすいので、二つをまとめて記載します。)

A 5年半
B 第1次オイルショック後のリセッション入り時点でインフレ率は一旦ピークを打ち減少傾向に転じるもその後再び急上昇。第2次オイルショックで第2のピークへ達し、以降は下落に転じる。 
C 第1次オイルショック後のリセッション入り時点で利下げ局面だが、インフレ率の再上昇とともに再び利上げ局面に転じる。
政策金利が当時のピークである20%(驚異の数字ですね!)から利下げに転じた数ヶ月後に最高値を更新。(グリーンの⭐️、以下同じ)

③1981年-1982年
A 1年、B ②ピークからの下落トレンド C 利下げ局面、株価最高値更新まで利下げ続く

④1990年-1991年(湾岸戦争)
A 1ヶ月、B 下落傾向 C 利下げ局面

⑤2008年-2009年(リーマンショック)
A 5年、B 横ばいからやや下落傾向 C 利下げ局面(2015年末までゼロ金利政策)

⑥2020年(コロナショック)
A 2ヶ月、B 横ばい C 利下げ局面(2022年2月までゼロ金利政策)


このように見てみると、過去にリセッション入りした場面では、再び最高値更新に至るまでには、インフレ率が下落傾向(または横ばい)にあるということ、加えてFRBの政策金利が利下げ局面にあるという要素が確認できます。
最高値を更新する上昇モメンタムが生まれるには、これら二つが重要なキーと言えるでしょう。
一方で直近の動きはというと、インフレ率はまだピークを打ったかどうかわからない、利上げは継続中ということで、過去に見られたような株価完全復活時の特徴は現れていません。



直近のSP500の動き
以下は直近の週足です。



現在の価格水準は、2022年年初からのちょうど半値付近に到達したところです。
個人的には、もう一度6月につけた安値を試す動きが出るのではと見ていますが、このゾーンでどう反応するか非常に注目しています。


このように過去の傾向を見てみると、過去に類を見ないほどの急激な利上げを行なった結果、インフレ率は徐々に低下していく可能性がある一方で、その結果として経済にはマイナス影響が出始める。インフレが収まってきた頃に(今回の金融引き締めのゴールはあくまでインフレ退治)、景気悪化対処の方に優先順位が移っていくことで利上げの停止または利下げ、となったあたりが株価の本当の底入れとなり、そこから最高値を更新していく動きが生まれるのではないかなと妄想しています。


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