SP500とNASDAQ100の違い

已更新
①トリガーの位置
②反転の位置

NQはボラが大きい分シグナルが出るのが早い。


前回の記事を書いている際にふと疑問になったことがある。
私は普段 NASDAQ 100のチャートを追っているのだが、TradingViewで記事を書く時だけ過去のチャートを見るためにSP500を参照している。
その際普段見ているNQでは最近上値の抵抗線をブレイクアウトしていたが、SP500ではまだ抵抗線の下だった。
そこで素朴な疑問として両者はどの程度違うのか気になったので調べてみた。
知っている人からすると今更な内容であろう。


まず最上段のチャートから分かるように、両者の山の位置はほぼ一致している。これは言わずもがなである。
続いてもちろん金額もそれぞれ4000pt、14000pt程度と大きく異なる。
両者ともGAFAMなどのトップ企業を含むため上位銘柄はおおよそ一致するものの、以下のようにその他含めた構成比率が全然異なるためである。


               |SP500   NQ
セクター           |(500銘柄) (100銘柄)
---------------------------------------------------------------------------------
情報技術           |27%    48%
ヘルスケア          |13%    6%
一般消費財・サービス     |12%    18%
金融             |11%    0
コミュニケーションサービス  |11%    19%
資本財・サービス       |8%     2%
生活必需品          |6%     5%
エネルギー          |3%     0
素材             |3%     0
公益事業           |3%     1%
不動産            |2%     0
(※2021年2月のデータ)


次にこれらをトレードの指標にする際に生じる違いを確認した。
この確認については誰もが最低限使っているであろう「トレンドライン」で比較した。
ここでトレンドラインの引き方は当然人によって差があるため、極力客観的に比較するために"Trendlines 2x +"という有名なインジケータを使用した。
これを使って2,3段目に表示したSP500およびNQに自動でトレンドライン、抵抗線、売買シグナルを表示している。
※この手のインジケータを使うと線が多くなりすぎて見にくくなるのはご了承いただきたい。両者とも同設定で少しだけ見やすくしている。

これを表示するとそれぞれ売買シグナルが点灯するのは全く異なる位置になることが分かる。
一般にNQの方が情報技術セクターメインなゆえにボラが大きく、シグナルが点灯しやすくなる。
NQの最高値はよく見るとSP500より1か月前くらいのところが最高値だったようである。
これによりSP500と違ってNQでは年明け前から売りシグナルを連発していた。
一方で総合的にみて、SP500より無駄に買いシグナルも発行しており、見返してみるとダマしだったということも多いのが分かる。
これにより直近のチャートでもSP500が抵抗線に差し掛かろうとしているタイミングにもかかわらず、NQは既に買いシグナルである。

両者の売買シグナルがだいたい一致しているところだけ手で垂直線を入れてみたが、両者が一致するのはおよそ3割程度のようだ。

両者の特性の違いを生かすとすると、一例としてNQはトレンドに沿った方向の売買の手じまいには先行指標になるので参考にしつつ、
逆にトレンドに沿った方向の買い増し(or売り増し)のシグナルは遅行指標となるSP500も見て警戒しながら判断するのが良いかもしれない。
註釋
冒頭に消す予定だったメモ書きが残ってしまっていました。
Technical IndicatorsTrend Analysis

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